小説『くちびるリビドー』が「紙の本」になりました♪
2020年12月22日 (火) 発売
『くちびるリビドー』
湖臣 かなた
(1780円+税)
出版社 : デザインエッグ社(MyISBN)
発売日 : 2020/12/22
言語: : 日本語
オンデマンド(ペーパーバック): 170ページ(※)
ISBN-10 : 4815024049
ISBN-13 : 978-4815024048
寸法 : 12.8 × 1.02 × 18.2 cm
全国の書店でも
注文することができます
(上記のISBNナンバーを伝えてね♪)
2023秋より
「私がウニみたいなギザギザの丸だとしたら、恒士朗は完璧な丸。すべすべで滑らかで、ゴムボールのように柔らかくて軽いの。どんな地面の上でもポンポン弾んで生きていけるし、水の上ではプカプカ浮くことだってできる。それに比べて私は、ところどころ穴だらけで、形も微妙に歪んでて、ギザギザの棘だって見かけだけで実際は簡単にポキッと折れちゃうし。そのくせ『きれいな水の中でしか生きられな~い!』とか言っちゃって、とことん自分が嫌になる」//この“満たされなさ”はどこから来て、どこへ向かっていくのだろう……。あの頃、私の頭の中は「セックス」と「母乳」でいっぱいだった。
目 次
1 もしも求めることなく与えられたなら
2 トンネルの先が白く光って見えるのは
3 まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風
「やっぱりママは、私がいなくなっても淋しくないんだね。むしろ身軽になる分、ますます楽しく過ごすんでしょ?」
永遠の片想い。
そんな気分になるから、私はいつだってクールに大人でいようと努める。
そう。母乳のことだけじゃない。こんなふうに表に出すことがなかったママへの気持ちは笑っちゃうほど恒士朗に対する想いと重なっていて、それに気づくたびに私は自分自身にうんざりするのだ。
「私がこんなにも満たされなさを抱えているのは、たっぷりの母乳を与えてもらえなかったからに違いない」と、長らく胸の一部を占領し続けていたドス黒い塊がようやく消え去り、そこに誕生したまっさらなスペース。
未来の私(「運命」と呼ぶより、こっちのほうがずっといい)は、この瞬間を見逃したりはしないのだろう。
自分の中で古びつつある何かが終わり、同時に新しい何かが生まれ出ようとしている感触に、私の心は戸惑っている。こんなふうに先の見えない状況に立たされたとき、私はいつだって好奇心よりも不安感のほうに強く引っぱられてしまう。
だけど。特別な新月を前にもたらされたこの展開を、私は信じたい。
それはきっと私たち二人を正しいスタートラインへと導いてくれるはずだ。
そう信じたいから、この心を裏切ることのない嘘のない選択を――「しなくては」でも「すべきなのだ」でもなく、「しよう」と言える自分でありたい。
そして。
私はやっぱり、恒士朗を失いたくなんかない。
※「オンデマンド(ペーパーバック)って何?」という方へ
今回私がMyISBNを利用して出版した本は「プリントオンデマンド書籍」などと呼ばれるらしい。もう、個人が自由に&簡単に(例えば「自費出版」のように大金を用意することもなく)、“紙の本”を作って売れる時代になったのですね!
MyISBNのホームページ(https://myisbn.jp/)によると、
「MyISBNで出版された本は、Amazonだけでなく、全国の書店で買うことができます。
MyISBNの本の印刷、製本、出版にはAmazonのオンデマンドサービスを活用しています。
Amazonのオンデマンドサービス技術は、本の受注→印刷→配送までの流れがスムーズなので、ユーザーが注文すると2日程度で本が届きます。これは在庫を持って販売している本と変わらない早さです。
もちろん受注生産のため、何冊売れても在庫切れはありません。
また、Amazonだけでなく全国の書店でも本を買うことができます。インターネットでものを買うのが苦手な方も、全国の書店で本を取り寄せてもらって本を購入することができます。」とのこと。
いわゆる「ハードカバーの本」や「文庫本」とは異なり、カバーや帯のないシンプルな仕上がりになるのですが(“学校の教科書”をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません)、完成した本を手にしてみたら、印刷状態や紙質ともに、想像以上にきれいでしっかりとした印象でした。表紙もツルツルの厚紙で、発色もよかった。
(ちなみに私は今回、『B6判』で制作してみました♪)
また、MyISBNで作った本には「価格」を表示することができないのですが、それについてはこちらをどうぞ。→「プリント・オン・デマンドの書籍で定価表記ができない理由」
※2022年12月追記/裏表紙に「価格」が表示されるようになったらしいです(既刊のものはデータの修正が必要&有料)。
◎人生初となる「個人出版」の決意から、制作→入稿→発売日決定の瞬間まで、こちらのマガジン(無料)にまとめています。
◎創作こぼれ話などはこちら☆
私が『本/小説/物語』をとおしてやりたいと思っていること、やれればいいなぁと願っていることを、言葉で伝えるのは難しい。それは“読んでもらうしかない”のだと思っているから。だけど、そのままでは全然、この『作品』を知ってもらえない。興味をもってもらえない――。
だから。
「キーワード」を並べてみます。
セックス セックスレス 母乳 トラウマ バーストラウマ リビドー
恋愛 親子関係 母親 母と娘 自立 インナーチャイルド
ソウルメイト アセクシュアル 性と生 満たされなさ
愛 虚しさ 虚無感 闇 生きる 命 死 死と再生
天使たちのシーン 夢 歯 ラフマニノフ
秋田 青森 能代 深浦 日本海 東北 旅
(個人出版 MyISBN R-18文学賞)
なんとなく……どんな物語か、感じてもらえたでしょうか?
最後に。この本を手にしてくれたあなたへ。
“夢か幻想か、どこからどこまでが現実なのか……”
あなたの脳裏にはどんな映像が流れたのだろう。
例えば「あれは夢?」「おばさんの家にNはいたのか?」など、さまざまな視点からこの物語を味わってもらえたら、私はほんと、最高に嬉しいです。
そしてこの空間(本の中の、物語の中のスペース)で、いつでもあなたを待っています。
2020年12月(土星と木星がついに水瓶座へ☆)
湖臣かなた